毎日持ち歩くものを、全部黒にした。
バッグの中を開けたとき、余計な色が目に入らない。そのためだけに、EDCを黒で揃えた。
ペンは持ち歩かない派だった。SL-F1 Mini のブラックが、その考えを変えた。
ペンを常に持ち歩く必要があるとは思っていなかった。
スマートフォンで書き留めることが増えて、物理的なペンはデスクにあればいいという考えになっていた。ゼブラ SL-F1 Mini はその考えを変えた一本で、ポケットに入るサイズが持ち歩きの障壁をなくした。
収納時79mm。
この長さはシャツの胸ポケットに完全に収まる。バッグのポケットに入れても存在感がなく、財布と一緒にスラックスのポケットに入れてもシルエットを崩さない。
ノック式で芯を出す動作もスムーズで、片手で完結する。小さいペンにありがちな書き心地の犠牲がなく、伸ばした状態では通常のボールペンに近い感覚で書ける。
オールブラックのモデルはボディ・クリップ・ペン先のパーツまですべて黒で統一されている。
この価格帯でここまで徹底した黒のモデルを出しているのはゼブラの誠実さだと思う。安価なペンは黒ボディでもクリップがシルバーだったり、ペン先だけ別色だったりすることが多い。SL-F1 Mini はそういう妥協がない。
収納時は小さいが、書くときには必要な長さになる。
小型ペンで難しいのはここで、携帯性を優先しすぎると書きにくくなる。SL-F1 Miniは伸ばすと指の位置が安定し、メモ程度なら十分に書ける。長文を書くためのペンではないが、外で数行書くにはちょうどいい。
ペンは、持ち歩けることと書けることの両方が必要だ。片方だけではEDCにならない。
このペンは、バッグよりポケットに向いている。
バッグに入れると、小さすぎて埋もれることがある。シャツの胸ポケット、ジャケットの内ポケット、ポーチの細いスロット。そういう場所に入れておくと、必要なときにすぐ出せる。
小さい黒いペンが、服の中に静かに入っている。使わない時間は存在を消し、使う瞬間だけ出てくる。その距離感が良い。
持ち歩いてわかったのは、スマートフォンで記録できないことがある、ということだ。
紙に渡す必要がある場面、手元にメモ帳だけある場面、スマートフォンを出す雰囲気でない場面。そういうときにペンがある安心感は、想像より大きかった。
ポケットに入っていることを忘れるサイズで、必要なときにある。それが正しいEDCだと思っている。