Anker 511 Charger Nano、小さい黒の話。
充電器に存在感は要らない。Anker 511 Charger Nano のブラックは、その考えに正直に応えている。
バッグの中を開けたとき、余計な色が目に入らない。そのためだけに、EDCを黒で揃えた。
バッグを開けるたびに色がばらける人と、そうでない人がいる。
後者でいたいと思って、持ち物を黒で揃え始めた。統一感のためではなく、見るたびにノイズが入ってこない状態を作るためだ。
黒いものを選び続けていると、選択そのものが速くなる。
何かを買い足すとき、候補に黒がなければ外れる。それだけで選択肢が絞られる。ブランドや価格より先に色で篩いにかけるので、比較検討の時間が短くなった。
結果として、手元に残るものの密度が上がった気がする。
財布、ペン、モバイルバッテリー、ケーブル、キーケース。
全部黒で揃っている。ブランドはばらばらだが、バッグを開けたときに統一した何かが見える。色が統一されているだけで、雑然としたものが雑然として見えにくくなる。
最初に揃えるなら、毎日目に入るものからでいい。
財布、スマホケース、ペン、イヤホンケース、モバイルバッテリー。このあたりはバッグを開けたときに視界に入りやすい。逆に、ケーブルの内側やポーチの中に隠れるものまで最初から完璧に揃えようとすると疲れる。
黒で揃えることは、ルールを増やすことでもある。だから続けるには、どこまで気にするかの線引きが必要になる。外から見える面を優先する。毎日触るものを優先する。写真に写ったときに目立つものを優先する。そのくらいで始めた方が長く続く。
同じ黒でも、素材によって見え方はかなり違う。
ナイロンの黒、レザーの黒、アルミの黒、ラバーの黒。全部を同じ黒にすることはできない。むしろ、違う素材が同じ方向を向いている状態が良いと思っている。
バッグの中で黒い革の財布と、マットなモバイルバッテリーと、少し光沢のあるケーブルが並ぶ。色は揃っているが、質感は違う。その差があるから、黒一色でも単調になりすぎない。
黒で揃えるというより、黒い素材の層を作る感覚に近い。
一番難しいのは、差し色をどこまで許すかだ。
ロゴ、ステッチ、ジッパー、内装、充電端子の周り。黒い商品として売られていても、細部に別の色が入っていることは多い。完全に避けようとすると選べるものが極端に減る。
だから、自分の基準では「使っているときに見えるか」を重視している。バッグを開けた瞬間に見える場所なら気にする。普段は隠れている場所なら許す。厳密さより、視界に入るノイズを減らすことの方が大事だからだ。
完全に黒いものは意外と少ない。
差し色のロゴ、シルバーのジッパー、ベージュの内装。こういう細部を気にしていると選択肢がどんどん狭まる。その狭まり方が楽しいかどうかが、黒縛りを続けられるかどうかを決めると思う。
個人的には、楽しい方に分類している。
完全な黒でないものも、持ち歩いている。
ロゴがシルバーのもの、内装が別色のもの。それを許容するかどうかは都度判断していて、基準は「バッグを開けたときに目に入るかどうか」だ。見えない場所の色は、あまり気にしない。
外から見える面が黒ければ、それで十分なことが多い。
持ち歩くものが静かだと、向かう先のことを考えやすい気がする。